「ルディーン君。それじゃあ君はもう初めて作る料理でも、必要な材料の量がある程度わかるって事なのね?」
「うん。だからそうだよって言ってるじゃないか!」
一通りステータスやジョブのお話をし終わった後で、アマンダさんは僕にほんとなんだね? って聞いてきたんだ。
だから僕、嘘なんかついてないよって言ったんだよ?
でもね、そしたらアマンダさんはちょっとしょんぼりしちゃったんだ。
「そう、ルディーン君はもうそのレベルをクリアしてしまっているのね。私はそこに到達するまで、あんなにかかったのに……」
「どうしよう、お母さん。アマンダさんが急にしょんぼりしちゃった!」
「大丈夫よ。でももう少しの間、そっとしておいてあげましょ」
だから僕、お母さんに大丈夫かなぁ? って聞いたんだけど、そしたらちょっとの間ほっといてあげてねって言われちゃった。
そっか。よく解んないけど、お母さんがそう言うんだったらそうした方がいいんだよね。
だからしょんぼりしてるアマンダさんはルルモアさんに任せて、僕とお母さんはちょっと離れたところでお茶を飲んでる事にしたんだ。
「もう大丈夫よ。それじゃあ、続きを始めましょう」
お母さんが言った通り、ちょっとしたらアマンダさんは復活。
お勉強の続きをすることになったんだ。
「ただ、ルディーン君がそのレベルに達しているって事は、料理人としての技量そのものは発酵のスキルを習得できるレベルに達しているって事なのよねぇ」
「そうなの?」
「ええ。本来これができるようになるには、かなり長い間の修業が必要とするのよ。私としては、そこにいたるまでのコツみたいなものを話そうと思っていたんだけど、全部無駄になってしまったのよね」
アマンダさんはね、料理を教えてくれた人からいろんなことを聞いて、それができるようになったんだって。
だから今度は僕にそれを教えてくれるつもりだったらしいんだけど、もう僕ができるって解ったもんだからお料理に関しては教えることが無いらしいんだ。
「どうしよう? ここからはルディーン君が錬金術をある程度できるようにならないと意味がないし」
「意味が無いと言うと?」
「実を言うと、料理の腕に関してはそこまで上達していればもう問題が無いのよ」
ルルモアさんが意味がないってどういう事? って聞くと、アマンダさんはここからは錬金術がある程度できないとお話を聞いてもあんまり意味が無いんだよって教えてくれたんだ。
「一応知識として話しておこうとは思っていたのよ? いずれ覚えなければならない事だし、それに目標があれば頑張れるものね。でも、料理の腕がもうそこまであると言うのなら、今下手にこの話をしてしまうと、錬金術の上達の妨げにならないかと言う不安があるのよ」
ほんとだったらお料理も錬金術も、僕がいっぱい練習しないとダメだったはずなんだよね。
なのにお料理の方はもう大丈夫だって解ったでしょ?
だからアマンダさんは、僕がスキルが使えるようになるようにって錬金術の練習を頑張りすぎないか心配なんだってさ。
「なるほど。片方がもうそのレベルに達しているのなら、錬金術の技術不足で使えないって事になるものね。それがルディーン君の成長の妨げになうrかもしれないって思っているのね」
「ええ。どんなものでも気負いすぎるとうまく行かない方が多いわ。それだけに、ここからの話を教えてしまってもいいのかどうか」
そう言ってう〜んって唸りだす、アマンダさんとルルモアさん。
「ちょっと、いい? アマンダさん、その発酵って言う技術に必要な錬金術って、そんなに難しいものなの?」
そんな二人を見て、お母さんがこんな事を聞いたんだよね。
だってそれが解んないとどれくらい大変か解んないもん。
それにロルフさんやバーリマンさんにその事を話せば、僕がそれができるようになるまで手助けをしてくれるかもしれないでしょ?
だから、まずはそれを教えてって。
「そうね。でも、覚えるのは大変よ。そりゃあ初めて作る料理でも味付けに必要な量が解るなんて程の難易度ではないけど、それでも中級レベルの錬金術師にならないと習得できないって話だから」
「そうなんですか。それはかなり難しそうですね。それで、その必要な技術と言うのは?」
「抽出と付与って言う技術よ。あっ後、解析って技術も必要って資料には書いてあるわ」
この三つの中で付与って言うのは初球の錬金術師でも使えるけど、抽出と解析ってのが特に難しくってそこで挫折する人が結構いるそうなんだよってお母さんに教えてくれたんだ。
でも……。
「アマンダさん」
「ん? なぁに、ルディーン君」
お母さんと二人して、そんなに難しいならきっとすっごくお勉強しないとダメなんだねってお話してるアマンダさんに、僕は教えてあげないとダメな事があるんだ。
「あのね、僕、もうその二つとも使えるよ」
「えっ!?」
なんかさっき同じような事があったような?
僕の話を聞いたアマンダさんは、またすっごくびっくりした顔してるんだよね。
おまけにお母さんまで、さっきとおんなじようにほんとなの? って聞いてくるし。
僕、嘘なんてつかないんだけどなぁ……。
ちょっと短めですが、ちょうどキリがいい所ですし、少しやる事があるので、すみませんが今日はここまで。
さて、皆さんある程度想像はできていたでしょうけど、発酵のスキルを主ベル為の技術ですが、ルディーン君はすでに料理も錬金術も必要なものを習得していました。
ただ、過去にロルフさんが言った通り抽出は錬金術に必要な代表的な4つの要素の内でも特に難しいので、それが使えるようになるのにはかなりの練習が必要です。
それに初めて作る料理にそれぞれどれくらいの量の素材を入れたらいいのかがなんとなくでも解るなんて特殊技術、普通に考えたらちょっとやそっとで習得できるはずがありません。
それこそ、そういう事ができるようになる素養が無ければ無理というものです。
でもそんなすごい技術(正しくは料理人の一般職)のはずなのに、ルディーン君は雲のお菓子をみんなに作ってあげただけで着いたんだよなぁ。
うん、間違いなくチートですw